名古屋のド派手な結婚式は廃れてしまったの?
名古屋では昔から派手な結婚式が有名です。
「娘が3人いたら家が傾く」なんて言われてきました。娘を嫁に出す時にとんでもない質・量の嫁入り道具を持たせることから言われてきたものなんですが、中身がガラス張りで透けて見える紅白の垂れ幕がかかった不思議なトラックをどこかで見たことがあるかもしれません。アレです。「寿トラック」というのだそうです。
一般的には新郎が家の外側(家そのもの)の建築費用、新婦側が家の中身を用意したと言われています。「寿トラック」の中にはりっぱな嫁入り道具「婚礼家具」一式が入っていました。
あっ、ところで寿トラックには紅白の垂れ幕が付いてますが、これは見栄でやっているだけでなく目立たせる必要があったって知ってましたか?実は寿トラックは決してバックをしません。「出戻り」を連想させ縁起が悪いのだそうです。だから相手側に退いてもらうそうです。紅白のトラックを見たらまわりに注意した方がよさそうです。
名古屋人の見栄っ張り度が良くわかるエピソードですが、近年ではそんな風習も少なくなってきたようです。結婚式も昔ほど派手でななくなり、「地味婚」も増えています。「寿トラック」も昔ほど見かけなくなりました。
昔ながらの地域に根付いた人のつながりが希薄になり「見栄を張る」相手がいなくなったのも理由のひとつかもしれません。また最近の住環境の変化や、エコ指向など生活をコンパクトしようとする考え方も影響しているのでしょう。
婚礼家具はなぜ必要なくなったのか。
少なからず強烈な風習がある名古屋を例にしてしまいましたが、これほどのエピソードは無いにしても、日本中で派手な結婚式が少なくなっているのは確かなようです。同時に本格的な婚礼タンスも見る事が少なくなっています。
最近では「ブライダル家具」なんて呼び名を聞いたことがあるかもしれません。でもそれは婚礼タンスを示すのではなく、新婚生活に必要になる家具全般(ベッドやダイニングテーブル、食器棚等)のことなんですね。婚礼タンスはそもそも入って無かったりします。残念なことです。
婚礼タンス(婚礼家具)は、長いコート等も掛けられるワードローブ(洋服タンス、服吊タンス、少し細めの物はブレザータンスと言う。)と、昇りタンス(背丈があり最上部が小さな引き戸になっているタイプ)や、ハイチェストやローチェスト(整理タンスとも言う)、ドレッサー等を組み合わせたセット一式のことを言い、様々な組合せのバリエーションがあります。
基本は大型のワードローブとハイチェストのセットですが、ワードローブは内部にコート類を吊るすことを想定しているため、とにかく大きいです。幅はいろいろですが、高さが200cm、奥行きが60cm程度あるのが普通です。これに同シリーズのハイチェストを並べるわけなんですが、これで既に幅も軽く200cmは越えているはず。
結婚されて大きなお家に住める方には何の問題も無いのでしょうが、世の中そういう方ばかりとは限りません。4畳半〜6畳程度のお部屋に大きな婚礼タンスを並べてしまったら、それだけでほとんど一杯です。俗にいう「タンス部屋」の誕生です。あまりにも婚礼タンスが大きいのでそれ以外のことが出来なくなってしまった部屋ってことです。現代の日本のあまり広くない住環境に大きな婚礼家具が合わなくなっているのかもしれません。
現代はウォークインクローゼットが主流の時代です。衣類のほとんどをクローゼットに収納することが可能です。最初からクローゼットのある部屋なら、少なくともワードローブは必要ありません。「ウォークイン」ほどでないにしても押入や収納スペースにプラスチック製の衣装ケースを上手に使って、オンとオフシーズンの衣装の「衣替え」をしている主婦の方も多いようです。
婚礼家具セットにこだわらず、必要なタンスだけを揃えたらどうでしょう。
可哀想な扱いの婚礼タンス。クローゼット主流の現代の住環境を考えたらしようがないのかもしれません。
しかし、クローゼットは完璧ではありません。最近人気のウォークインクローゼットもそうですが、結局は小さな棚付の納戸なんですね。通気性が悪いと「結露」や「カビ」が発生します。かといって換気ばかりしていると今度は「ホコリ」が普通に入ってきます。
海外からやって来たウォークインクローゼットの考え方はカッコは良いのですが、日本の高温多湿の環境に適応出来ているのでしょうか?
そこで日本の歴史ある婚礼タンス(桐タンス)を見直してみてはどうでしょうか。
別に「婚礼タンスセット」でなくても良いと思います。全部揃える必要はなく、ライフスタイルに応じて必要なタンスだけを購入すればよいと思います。結婚祝いのブライダル家具の中に本物の婚礼タンスクラスを一棹(ひとさお)、入れてしまいましょう。
婚礼家具クラスの高品質なタンスにはほとんど桐材が使われています。日本に高温多湿な衣類には厳しい環境に適応するためのものです。特にオール桐材で作られた桐たんすは、湿気に強く防虫効果もあり、燃え難い特性を持っていて、大切な衣類を長期保存するのに理想的と言えます。クローゼットに入りきらない衣類や、カビや結露から避けたい大切な衣類を入れると良いでしょう。
桐タンスというと何か古くさいイメージがあるかもしれませんが、シンプルで飽きのこないデザインは意外と若い人にも人気があります。焼桐といって表面を焼いて風合いを出した物や現代風のデザインの桐タンスもあります。しかも桐材タンスは修理可能で、リフォーム(削り直し)をすれば何十年にも渡って使い続けることができます。
問題はお値段ですよね。決して安くありません。だからこその婚礼家具、嫁入り道具なんですね。一生に一度のことですから、決して安いチェストで済まさないで下さい。タンスこそ良い物を買うと本当に長持ちします。
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名古屋の結婚式の話題で始まった婚礼タンスのお話ですが、最後も名古屋で…。
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イベントでは地元の桐タンスメーカーからも出品、さまざまなタイプの桐タンスを一堂に目にできる良いチャンスです。
名古屋の大型家具イベント