日本6大家具の一つでもあり、世界でも注目されている『旭川家具』。この度インテリア取材班は、森林が豊富な北海道旭川市や上川郡東川町近郊で製造している『旭川家具』の「アーリー・タイムス アルファ 東京ショールーム」様をご訪問しました。JR・都営地下鉄「五反田」駅、東急電鉄目黒線「不動前」駅、東急電鉄池上線「大崎広小路」駅の3駅から徒歩5〜8分、JR「五反田」駅からは無料の直通バスが運行している五反田TOCビルの4階「アーリー・タイムス アルファ 東京ショールーム」様にて、代表取締役社長の青森様よりお話しをお伺いしました。
創業70周年、旭川家具ブランドメーカー「アーリー・タイムス アルファ」。
生産地の環境や社会影響に配慮をした間伐材の木材『フェアウッド』を活用し、良質な「木」の恵みを活かしたより良い『旭川家具』を作り続けてきた「アーリー・タイムス アルファ」様。大きなデザイン変更はせず同じシリーズで作り続け、特にテーブルの天板などは良質の無垢材を使用し、傷や汚れが付いても工場で新品同様にリフォームすることができ長く使い続けられる家具。そんなこだわりのある家具作りに定評がある「アーリー・タイムス アルファ」様を深掘りしていきましょう。
Q.まず「アーリー・タイムス アルファ」様の成り立ちを教えて頂けますでしょうか?
A.昭和27年4月に創業した木工家具メーカーです。北海道上川郡東川町に本社と工場およびショールームがあります。創業者は青森から腕の良い家具職人を引っ張り北海道に渡って行って会社が出来上がりました。北海道の旭川は良質な木材が採れるところなんです。採れた木材をどのように活用していくかと言うことで、建材屋さんから今の家具屋になりました。
Q.青森様が社長になられたのはいつからでしょうか?
A.10年前位からですかね。創業者の息子が今の会長です。私自身は直接の血縁関係ではないのですが、私の父が大手家具メーカーを上場させたのを見ておりましてこの業界に大変興味を持ちました。創業者の娘の旦那にあたる人が僕の父の弟で、叔父に呼ばれたのがきっかけで「アーリー・タイムス アルファ」に入りました。最初は「アーリー・タイムス アルファ」の販売員として入社しましたが、卸も見て欲しいと言われ、工場も含めて見ることになり社長に就任いたしました。
生産地の環境や社会影響に配慮をした木材「フェアウッド」を活用。
Q.「アーリー・タイムス アルファ」様と言えば『旭川家具』ですが、『旭川家具』の特徴を教えてください。
A.『旭川家具』は森林が豊富な北海道旭川市や上川郡東川町近郊で作られている家具の総称でして、良質な無垢材を使用した家具が多く、日本6大家具(旭川家具・静岡家具・飛騨家具・徳島家具・大川家具・府中家具)の一つです。
Q.では「アーリー・タイムス アルファ」様ならではの『旭川家具』のアピールポイントは何でしょうか?
A.やはり上質な無垢材が大きなアピールポイントではあるのですが、元々はサイズ対応するのが一番の売りでした。高さも幅も細かく選べる「ポルカ」シリーズですね。大きなカタログにワーっと並んでいました。
Q.「ポルカ」! 人気のシリーズですね!
A.時代とともに北海道らしい彫り込みがあって作り上げた家具ではない、無垢材でどこまですっきりとしたシンプルな家具を作れるかにこだわりました。私たちが木材を購入したり調達する時に、商品を作るための伐採で環境が破壊されるような本末転倒なことは絶対にあってはいけないと思っています。そこで世界的に計画伐採をしているのがアメリカだけでしたので、アメリカの方の無垢材の仕入れを考えました。生産地の環境や社会影響に配慮をした木材「フェアウッド」を積極的に選ぶことで、世界と日本の森林環境を維持・改善することができると考えます。計画伐採は北海道でも「ナラ」や、「タモ」はありますので、少しずつ商品に使用していますが、基本はアメリカ材の中から安定供給できるウオールナット・チェリー・メープル・ホワイトオークの4つの木材を使ってどこまで作れるか、サイズ対応も出来るかと話しが進んで行きました。
良質な「木」の恵みを活かし、より良い家具を作り続けています。
A.無垢材で作ることが大前提ですが、長く使うことを考えますとテーブルは削って直せますよと言えますが、サイドボードやテレビ台などは、修理する時に荷物を全て出してボードを丸ごと送らなければならないのは大変ですよね。目線が自分の下になるものの天板は全て無垢材にして、ねじを外してもらえれば天板を外せますので天板だけ修理に送れるように考えました。汚れや傷は本体はそんなに気にならないかもしれませんが、天板は結構目立つので長く持たせるためにそのように提案しました。無垢材だけど長く使い続けるためにどうすればよいかと考えたことが大きい特徴かもしれません。
Q.なるほど! では今は何が一番売れ筋ですか?
A.そうですね〜。弊社が一般のメーカーと大きく違うのは、部屋の中のリビング・ダイニング・ベッドルーム・書斎のデスク・書棚など、ソファのクッションやベッドのマットレス以外は全部作っています! 価格でいえばこちらの「ETERNO/エテルノ」シリーズ。商品で言えばガラスが真ん中にあるテレビボード・サイドボードなどの「SCORA/スコラ」のシリーズが売れ筋ですね。
ETERNO/エテルノ
Q.それではピックアップ商品を詳しくご説明いただけますでしょうか?
A.まずこちらが、シンプルで多彩なバリエーションの「ETERNO/エテルノ」です。『永遠の』と言う意味ですね。扉に丸みが出るとどうしてもボリューム感が出やすいのでそれをいかに出さないようにするかを考え、扉の板の幅をどれだけ細く出来るか、また、扉の木材とガラスの段差をどれだけ薄く出来るかが最大のテーマでした。ボテッとした厚みの部分が横から斜めから見えてしまうので、ガラス留めは普通は塩化ビニールですがそこを無垢材で丸みを削って斜めから見ても細く見えるように工夫しました。後はなるべく、引き出しとか横に繋がっているものは一枚ものでカットして作り、木目が繋がるようになっています。
Q.本当ですね!木目が繋がっていてキレイです!
A.あと、こだわりは留めですね!普通は縦と横でガラスを嵌め込む感じですが、横通しだと断面が出てしまいますし、縦通しだと上に断面が出てしまう。なので斜めにカットして嵌め込むと断面が見えないんです!細かい所にこだわりながら手間をかけて扉を作りあげています。
Q.確かに厚みが見えないですね!
A.もっと細く出来ないかなと思い作ったのが「DOLCE/ドルチェ」のシリーズです。引き戸なので溝を走るためのレールが必要です。上と下は長さが違うので削って溝と合わせる。引手のところは厚みががあり戸との差がありますので、幅も違って厚みも違う全部バラバラの板を1枚の扉にする作り方をしています。そのため細さを追求したことでかなり手間がかかっています。床はまっすぐではないので置き狂いが起きやすく扉の上に隙間ができたりしますが、ちょっと削りが入っていて掘り込みの中に扉が入るようになっていますので隙間が出来たとしても目立たずホコリが入っていかないようになっています。
DOLCE/ドルチェ
A.棚板も前側が斜めにカットしてあり、ガラスに少し色がついていますので外から見た時に棚板の厚みが3ミリ位しか見えない工夫もしてあります。
Q.これはすごいこだわりのある細工ですね!
A.天板も重厚感があり高級感もありますので「DOLCE/ドルチェ」もかなり評判は良いです。価格帯が少し高いですがこちらをとても気に入ってくださって置いて頂く方が多いです。背の低い家具は全て後ろ側もキレイになっていますので間仕切りとしても置くことができます。
SCORA/スコラ
A.次に「SCORA/スコラ」のシリーズです。
Q.モダンな感じですね〜。
A.縦の仕切りを無くし中心部をガラスにしてオープンにし繋げましたので、雛人形や、エヌゲージを飾ることが出来ます。縦のコレクションボードはよくありますが、横に飾れるコレクションボードは少ないと思います。
Q.繋がっているんですね!境目の板が無く連続しているのはいいですね〜!
A.サイドボードは80㎝〜150㎝まで10㎝刻みの8種類のサイズ、奥行きも30、35、40、45㎝と4種類のサイズ、照明付き、無しの2種類をお選びいただけます。このテレビ台が180㎝なんですけど真ん中に仕切りが無いですがテレビを置いても撓まないんです!強度的にちゃんとした作りをしていると言うことです。
Q.ほ〜すごいですね! 全く撓んでいないしオシャレですね!
A.今テレビはビデオデッキやブルーレイなどのオーディオデッキを置くことが少ないので、飾り棚に出来るように照明が付けてあります。テレビボードの役割が変わってきましたよね。
Q.お仏壇もありますか?
A.はい、こちらが最近初めました「SCORA/スコラ」シリーズのお仏壇です。今、仏間をもたないじゃないですか。新築やリフォーム等をした時にリビングを広くしてリビングにお仏壇を置く。来客の時お仏壇が開けっぱなしだと見えて嫌だ、閉めた時に家具っぽく見えるようにと言うご要望が多く、このシリーズでお仏壇が欲しいと言うご依頼があり作りました。扉を閉めてもこのガラス棚に遺品の眼鏡や趣味のものを飾って置けるので、お仏壇であっても飾り棚っぽくも見えます。家具調仏壇はよくありますが、家具のシリーズと合ったお仏壇は少ないと思います。こちらもとても好評です。
SCORA/スコラ DOLCE/ドルチェ
Q.本当に扉を閉めるとお仏壇に見えませんね!
A.こちらは「ドルチェ」のお仏壇です。お仏壇の下の引き出しは底板が外れるようになっていましてお骨を納骨まで入れておくことができます。納骨まではそんなにお日にちを置いておくわけでは無いので、納骨まで置く場所が出来て終わったらあとは引き出しとしてご使用します。
Q.そうなんですよ、納骨までお骨を置いておく場所って意外となくてリビングに置いておく感じになってしまうんですよ。これはよく考えられていますね。
DT-4|丸テーブル
Q.リビング・ダイニングの売れ筋はどちらですか?
A.まずはテーブルですね。丸い天板のテーブルが主力です。80cm〜150cmまで10cm刻みでご用意しています。天板の角は削りが入っています。立ち上がる時に腕や手をついて立ち上がることが多いですよね、その時に痛くならない。パソコンを打ったり、字を書いたりする時に腕に当たって痛くならないようにちょっと削りを入れてあります。
Q.今ダイニングテーブルは食事だけでなく、パソコン作業や勉強をしたり兼用しますものね。
A.例えば2mの四角いテーブルですと、6人座って両端に2名座っても8名ですよね。丸テーブルですと詰めると10人座れちゃうんですよ!130㎝でも8名座れるんですよね。場所を取りたく無いけど人数を多く座りたいのであればとても良いと思います。
丸テーブルと四角のテーブルの違いをご説明いたします。
Q.丸テーブルって場所を取りませんか?
A.そう思いでしょう。椅子を引いて出入りするのに後ろに必要な幅は60㎝です。一般的な四人掛けテーブル120㎝の場合、部屋幅が2m40㎝あれば使えます。この場所に1m50㎝の一般的な四角の四人掛けテーブルを置くと45㎝しか後ろ幅が残らない。出入り出来ないから壁に付けて使えばなんとかなるかと言われますが、丸テーブルですと壁に付けなくても普通に使えるんです!動線も広いし人も座れる。四角のテーブルの一番距離の遠い対角線上の人とお話がしにくいですが、丸ですとどこに座っても中心からの距離が一緒なんです。
横の人も対角線上の人とも満遍なくお話しがしやすいです!以外に場所を取らずお部屋も広く使えますので丸テーブルはお勧めです。テーブルを見に来られるお客様は大概最初四角いテーブルをお探しですが、「丸のテーブルと四角のテーブルの違いだけ教えますね」「丸テーブルはこういう使い方ができるんですよ」とご説明をいたしますとよくご理解されて「いいね〜これ」と言ってくださり四角いテーブルから丸テーブルに変更されてご購入される方も多いです。
Q.すごくお部屋が狭くなるイメージがありました。
A.脚は2種類あります。一本脚でガタガタしないちゃんとしたテーブルってなかなか無いと思います。一本脚で強度をつけるのが一番苦労しました。椅子は木の座面ですが滑らないような塗装の仕上げをしてあります。木ですと硬いと思われますがクッションを置いて座っていただくと硬さは感じませんし、クッションも滑らないので座りやすいです。なんと言っても一番は身長に合わせて椅子の座面の高さが選べることです!日本のメーカーの椅子の座面の高さはだいたい42cmですが、弊社は36、38、40、42㎝と2㎝おきに作っています。足が付かなかったり踵が付かなかったりすると足が浮腫んだり、疲れやすくなるんですよね。テーブルとイスの高さを細かく選べますので、ご家族それぞれの椅子の高さを決めてからテーブルの高さをどこに合わせるかお決めいただくようにご提案しています。
DC-4|チェア
DC-1|チェア
椅子もテーブルも高さが選べます。
Q.なるほど〜。座面の高さが選べる椅子は見かけたことがなかったです!
A.肘付きの椅子の場合ですとこちらは少し前が下がっていますので手の感じがすごく楽に座れると思います。脚は普通四本脚ですがこちらは脚をつなげて作っていまして、立ち上がる時に後ろに滑ってくれるので出入りするときにも楽なようにしてあります。
ソファ LD-1
Q.ソファはどうですか?
A.ソファも作ってはいるのですが、クッションが作れないのであまり種類は多くありません。すべらないように加工してあるソファや、リビング・ダイニング兼用として、食事や寛ぐときにソファの高さが選べるようになっています。あとはお部屋の感じで、ウォールナット、チェリー、メープル、ホワイトオークどの木材が良いのか選んでいただいています。
ありがとうございました。
生産地の環境や社会影響に配慮をした間伐材の木材『フェアウッド』を活用し、良質な「木」の恵みを活かしたより良い家具を作り続けてきた「アーリー・タイムス アルファ」様の東京ショールームをご訪問し、代表取締役社長の青森様よりお話をお伺いました。「アーリー・タイムス アルファ」様が打ち出す『旭川家具』の堅牢でモダンな作りと、家具作りを愛して止まない青森様の熱意を感じました。丸テーブルもお話を伺っているうちにメリットが多いことに気付き欲しくなってしまいました。何を隠そう、私の実家にある『ポルカ』の食器棚は40年以上前に購入し何度も引っ越しをしたのにもかかわらず、本体も、扉も、引き戸もどこも歪むこともなく、多少の傷も味になって本当に良さを感じております。
インテリアプラスでも「アーリー・タイムス アルファ」様の販売会イベントをご紹介しております。是非この良さを実感して頂ければと思います。一度お気軽にお申し込みくださいませ。
アーリー・タイムス アルファのイベント
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