白いマンションのインテリアに何か物足りなさを感じたら、1点アクセントとしてゼブラウッドのシンプルな1枚板のテーブルを置いてみてください。それだけでモダンでちょっとだけ毒を含んだ、住む人の個性を際立たせる素晴らしい空間が完成します。
ゼブラウッドは、アフリカ大陸の熱帯雨林、特にカメルーンやガボンなど大西洋側に多く生育するマメ科の樹木で、成長すると樹高30m、胸高直径が1.5m堂々とした巨木になります。名前の通り、断面にシマウマのようなはっきりとした縦縞がある事からゼブラウッドの名がつきました。他に「ゼブラの」とか「ゼブラ」、「ジンナガ」などとも呼ばれます。木材の皮近くは桐のような色合いのサンドグレー、中心部は淡い褐色、そこにしっかりとしたコントラストの黒から褐色の不規則な縦縞が現れます。日本の穏やかなクリームやピンク系の木材を見慣れた目には、このはっきりくっきりとした力強い縦縞は強烈な印象を残します。
この個性派は、扱いが少し気難しいところがあります。アフリカのマメ科の巨木は兎に角比重が重いものが多いですが、このゼブラウッドもご多分に漏れず、大変重いです。また1年で数センチも乾いてくれないほど乾燥に時間が掛かり、そのくせねじれやすく、反りやすい、またクラックも入りやすいなど、木の扱いには細心の注意が必要となります。さらに生木をカットするときには酸っぱい独特の匂いがします(製品になれば香りは無くなります)。それでもこの柾目の美しさは格別。うっとりするような濃褐色の縞杢(しまもく)やリップルマークなども現れ、磨くとさらに光沢が出ます。これ一つで辺りの空気を一変させるほどの存在感と力強さがゼブラウッドにはあります。
ゼブラウッドの面白さは、モダンにも、レトロにも、アフリカンにも、味付けひとつで変化するところにあります。基本的に柾目はドライな緊張感が持ち味ですが、板目はおおらかな明るさも兼ね備えています。たとえば無機質な鉄やアルミ、石材、石膏、タイル、レザーなどで構成された超モダンな空間に、ゼブラウッドの四隅を処理したシンプルな1枚板のテーブルを置いただけで、インテリアに求心力が生まれます。
昭和30年代、40年代にゼブラウッドのプリント化粧板がもてはやされた時代が有ったからなのかどうかわかりませんか、ミッドセンチェリーのキッチュなインテリアにも不思議とマッチします。縞模様を生かして足の部分も柾目でコノ字型につなぎ合わせると縞が連続してレトロモダンな雰囲気になったりします。
またゼブラウッドのテーブルの脚を別の白木の民芸調の素朴な切り出しの作りに変え、アフリカの打楽器など転がしてキリムのクッションや敷物などで飾ればアフリカンナチュラルなインテリアになってしまいます。テーブルの仕上げ一つでいかようにも変わるのもゼブラウッドの魅力です。
一枚板テーブルのイベント