梅雨(つゆ)は本当に嫌な時期です。日本では5月後半から7月にかけて梅雨に入ります。
農作物や木々には恵みの雨をもたらす梅雨ですが、一般の方にとってはそうではありません。じっとりと湿気がまとわりついて、気分まで憂鬱になってしまいそうです。こんな梅雨が好きな人は、極度の乾燥肌に悩んでいる人か、シトシト降る雨に思いをはせる内向的な詩人くらいかもしれません。
梅雨は何もかもが湿っぽくなりますし、風通しの悪い部屋はさらに湿気がひどくなります。飲み残しのコーヒーには数日でカビが生えますし、お部屋の本等の紙類もなにかしっとり濡れているような感じがしませんか?
またカビと同時にダニの発生も無視できません。特に日本のような高温多湿で気密性の高い住宅事情では、梅雨の時期はカビやダニ等が原因でアレルギーを発症させる原因にもなっています。
こんな時、大切な家具、インテリアはどうなっているのでしょう。もしかしたら大変なことになっていませんか?もし裏側とかにカビが生えていたら…ゾッとします?
そこで今回は、梅雨の時期に困らない家具のちょっとした配置テクニックやお手入れ方法をお教えしたいと思います。
梅雨の対策の基本チェック
梅雨の時期に入りますと室内に湿気がどんどん溜まっていき、カビが発生しやすい状態になります。木製の家具、特に高級な無垢材の家具等は室内の温度変化の影響を受けやすく、湿気に対しても無防備です。つまりカビが生えやすいということです。
どうしたらカビを防ぐことが出来るのか?カビを防ぐということは根本原因である「湿気」から家具を守るということです。「湿気」が発生しなければカビやダニをある程度防ぐことができます。
●カビやダニの発生物質になりそうなホコリを防ぐ
梅雨の時期は、特に掃除をマメにしましょう。湿気が発生した時にホコリがあるとカビやダニが発生する発生物質になってしまいます。発生物質ってつまり「エサ」ってことなんです。ホコリと言っても人から出たフケや垢、食べ物のカス、ペットの毛などいろいろあるんですね。これらのホコリが溜まる前にせっせと掃除をすることでカビやダニの発生原因を少なくすることが出来ます。今回は細かいご紹介はしませんが、汚れそうな箇所を事前に予防しておくという「予防掃除」という考え方もあります。興味のある方は検索してみて下さい。
●除湿器やエアコン等の家電の積極利用
誰もが思いつくことは除湿機能のある空気清浄機やエアコンのような家電を積極的に使うことだと思います。エアコンをお使いの場合はフィルターにカビが繁殖しがちですから、こまめにお掃除をして、エアコン内部の水分が溜まらないように気をつけます。また、扇風機やサーキュレーターを使ってお部屋の空気を効率よく攪拌(かくはん)させることで湿度を下げることが出来ます。
ただ、除湿器やエアコンは、あくまで対処療法であって「湿気が発生する根本」は何も変わっていません。電気代も余計にかかってしまいます。使うタイミングを良く考えて適切な使い方を心がけましょう。
●梅雨時の換気の注意点
梅雨時はお部屋の中の湿気が高まるので換気をしたくなります。外が晴れている時は良いのですが、雨が降っている日はもちろん、雲って湿りがちな日も窓は閉めておいた方が良いでしょう。
換気をすると湿気が下がるような気がしますが、実は梅雨時期は外の方が気温も湿度も高いことが多いのです。雨が降っているのに窓を開けて換気をすると、そのまま外の空気が室内に侵入してしまい湿気を呼び込みます。
「梅雨時はホコリを溜めないようにマメに掃除する。晴れの日は窓を開けて積極的に換気。雨や曇りの日は窓を閉めて除湿機能のある家電を使用」
梅雨時の住空間を湿気から守る為に、まずは上記の事をベースとして行いましょう。これが湿気対策の基本と言えます。
梅雨のカビ被害から家具を守る最大の方法はレイアウトを工夫すること。
1.家具を壁から5センチ以上離す。
それでは本題。家具の湿気対策です。家具は布団のように外に干すことができず、位置の移動が簡単にできません。ですから普段から空気の通り道を作ってあげることが大切です。
空気の流れが滞ると、カビが生えやすくなります。家具のすき間やカーテンで隠れている壁、畳に置いた家具の底など、気づいたときにはカビがびっしり!などと言うこともあります。そこまで事態が悪化する前にいろいろな対策をしておく必要があります。家具はちょっと置き方を変えるだけで、梅雨のカビなどを防げるようになります。
一番簡単な方法は家具を壁から離してレイアウトすることです。家具を壁際に置く際に、壁にぴったりと付けてレイアウトしてはいけません。しっかりとした良い家具屋さんで家具を買って搬入をお願いすると、必ず壁から5センチほど離れた距離に置いていかれます。その理由は簡単で、通気性が悪いと家具の裏側が極端に傷むからです。湿気によるカビやダニの発生を誘発します。また、家具を壁から5センチほど離すと、ゴキブリの対策にもなるそうです。ゴキブリは狭い場所を好みますが、5センチの幅は彼ら、あるいは彼女らにとってあまり落ち着ける広さではないみたいです。
2.家具の下にもすき間を作る。またはすき間のあるデザインの家具を選ぶ。
家具の壁側だけでなく、床からも一定のすき間があると湿気対策としては有効です。床にスノコを敷いておくのも有効なカビ対策となります。床と家具の間に空気の通り道ができるのでカビが生えにくくなります。ただ、見た目的にどうなの?っていうのはあると思います。もし見た目の問題がクリアできればスノコを使うことで通気性は良くなります。壁から5センチ離すことも加えられればかなりの効果が期待できます。
押し入れやクローゼットにスノコを敷いておくのは定番の利用法ですね。こちらはあまり外から見えないので見た目の問題はありません。
それ以外ですとフローリングのキズ防止用のフェルトや耐震シートなどを家具の下に敷くことがありますが、これは湿気対策とは別の理由によるものです。おそらく数ミリのすき間しかできませんので湿気対策としては効果はあまり無いと思われます。一番良いのは最初から下にすき間のあるデザインの家具を選ぶことです。北欧系の脚付の家具が流行です。湿気対策には効果的なフォルムをしていますね。
ソファの湿気対策はどうするの?
ここまでは主に木製家具を中心に湿気対策をお話してきました。では、ソファはどうなんでしょうか?
ソファも湿気の影響を受けてカビやダニが発生しやすい状態となるため、梅雨の時期は湿気対策が欠かせません。対策の基本は木製家具と同じ。ソファと壁の間を開けておくことがまず大原則になります。ソファのまわりに空気の流れを作ってあげることで、湿気が溜まりにくくなります。
1.カビやダニに弱いのはファブリック(布張り)ソファ
ファブリック(布張り)ソファは文字通り布製のソファのことです。布ですから水や汚れに弱いという欠点があります。人間の汗やこぼれた食べ物の水分などがそのまま吸収されていきます。
布の繊維そのものにも細かいすき間があり、ホコリが入ってカビやダニの発生原因物質となる可能性が高くなります。外側の布張り部分と内部のクッション芯材は直接触れていますので、そのまま湿気成分をより内部へ吸収していくことになります。そのまま放置するとカビやダニが発生しますが、内部深くで発生しますと除去するのはほぼ無理と考えて良いでしょう。
普段から湿気対策に気を遣い、風通しを良くし、予防掃除をマメに行うしかありません。日本は高温多湿の家具には厳しい環境です。同じ布張りソファをお求めの場合でも、お手入のしやすいクッションからカバーを取り外してクリーニングが出来るようなカバーリング対応の布張りソファを選択されるのも良いかと思います。
2.比較的湿気に強い革張りソファですが、お手入は必要
本革張りのソファは一般的に布張りソファより耐久性が高いとされています。その話はある意味本当です。大切にすれば10年以上末永くお使いいただけます。ただし、そのためには定期的なメンテナンスはもちろん、湿気対策も必要です。革張りソファでも湿気が溜まりやすい状態で放置するとカビが生えてしまいます。革張りソファであっても湿気対策は他の家具と何も変わりません。
そして「水気」に弱いのは革張りも同じです。もし水に濡れてしまった場合は乾いた布で丁寧に拭き取ってください。本革のソファのお手入れで大事なことは、日頃からホコリをためないことです。本革の縫製部分やつなぎ目はホコリが溜まりやすくなっています。革用のやわらかいブラシを使って丁寧にかき出して下さい。
家具の湿気対策、いかがでしたか?
毎年やってくる梅雨の時期。どうせいつもの事だからと、何の対策もなく放置していませんか?
お気に入りの大切な家具達が人知れず泣いているかもしれませんよ。今年は本格的に梅雨の湿気対策をしてみてはどうでしょうか?
この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。