暑い夏がやってきます。今年は梅雨が遅れるとか、冷夏かもしれないとか、いろいろな予報が流れますが結局暑いんです。ここ数年の暑さは「亜熱帯」と呼ばれるの暑さの厳しい地域に入ってしまったのではないかと思われるほどです。
昔は学校等のクラブ活動では、運動中に水を飲むんではいけないことになっていました。みんな水を飲みたいのを我慢してスポーツをしていたんですね。現代はまったく逆で、水を飲む事を推奨しています。その頃は暑くてもせいぜい30度ちょっとでしたが、今は40度近くまで気温があがります。こんな気温の時に水を飲まないでクラブ活動を行うことは避けた方がよさそうです。熱射病になったり、最悪の場合死んでしまう事だってありえるのです。
これだけ夏が暑くなってきますと、私達もそれなりに対策が必要になってきます。一番簡単なのはエアコン等の家電をガンガン使うことですが、エアコンの使い過ぎで体調を崩す人が少なくありません。加えて最近の省エネブームもあって出来るだけ電気を使わないで過ごそうという人が増えています。でもひたすら暑いのを我慢するのはちょっと無理ですよね。
実は、家具やインテリアをいろいろ工夫することで、暑さ対策ができて、気持ちよく過ごすことができるってご存知でしたか?
今回は、どなたでも簡単にできる家具インテリアのテクニックを少しだけご紹介します。
夏だけでなく全てに通じるインテリアの大原則
日本のマンションや戸建て住宅の多くは、諸外国と比べるとお部屋のスペースに制限があります。狭い室内ではどうしても物があふれがち。
涼しい夏を過ごす為の大原則として、「お部屋がすっきりと整理整頓されている」ことは非常に大切なことです。まずはお部屋の整理整頓を行って下さい。
物がいっぱいで散らかっている部屋は暑苦しく見えます。印象だけでなく風通しも悪くなり、お部屋の空気を効率的に入れ替えることが出来ないという「実害」も出てきます。すっきりと整理されたお部屋は雰囲気が軽くなり、清涼感が感じられます。
どうしてもお部屋の収納スペースが不足している場合、収納家具を購入されることがあるかもしれません。そんな時は壁面収納タイプの家具を検討されてみてはいかがでしょう。収納する物やお部屋の間取りに合わせて、機能や組み合わせサイズが選べるユニット家具が多くのメーカーから発売されています。壁側にフラットに設置するタイプですとお部屋をスッキリと見せることが出来ます。天井まで達するタイプでと耐震機能を持たせたタイプもあり安心です。
カラーや素材で涼しさが違ってきます。
部屋が片付いたところで御部屋の模様替えを考えます。お勧めなのは、青や水色、藍色といった寒色。寒色を使うと、室内温度が2~3度くらい低く感じるというデータもあり、夏には積極的に取り入れたい色です。そのほか炭色や淡いグリーン、シルバーや白も清涼感があります。カラーはあくまでもアクセントとして1色か2色ほどに抑えましょう。
涼しさを感じる素材選びも重要です。ガラスや金属、ガラスタイルなどは、涼感を演出する素材でお勧めです。夏用にセンターテーブルをガラステーブルに変えるというのもおしゃれですね。また竹や籐などの椅子などのセットを窓辺に置くのも、リゾート気分を満喫できます。
古きに学ぶことの大切さ
「家の作りようは、夏をむねとすべし」
吉田兼好の有名な徒然草の一節です。エアコンの無い時代耐え難い夏の日差し和らげるため、屋根を大きくせり出し、全ての戸(引き戸)を開け放ち、風通しの良い家がよろしい、と言うお話ですね。
現代でも京都の町家では、毎年六月一日になると、今までの家の中の障子、ふすまなどの建具、敷物を、夏仕様の「よし障子」「簾」「網代」「籐莚」に替える習慣が残っています。この時に座布団や暖簾も、テーブルセンター、カーテンまでも替えているそうです。これは風通しが良くなるだけでなく、見た目でも涼しい演出をすることで暑い夏を楽しむ工夫となっているのです。
でもさすがにマンション等で建具を全て替えるのは難しいですよね。昔から日本にある素材で気軽に手に入れる事ができるアイテムは無いか考えてみました。
家具屋さんや大型量販店でも気軽に手に入るのが、竹製のカーペット・ラグです。竹製のカーペットやラグは通気性が良いので湿気が溜まりにくく、暑い夏に最適です。
肌ざわりがひんやりとしているので、夏に敷くととても気持ちがいいです。ラグは1〜3畳程度の小さなカーペットで、部分的に敷けるのでとても便利です。他にも竹シーツなんて商品もあります。ちょっと重たいのが難点ですが、就寝するときにマットレスやお布団の上に敷きます。これは本当に涼しいですよ。こちらもお試し下さい。
遮熱カーテンで暑さ対策
夏に室内が暑くなる主な原因は実は窓にあり、窓から多くの熱気が室内に侵入してしまうため夏はどんどん室内の温度が上がってしまいます。
ということは窓の遮熱対策をすれば熱の侵入を防げるということになります。窓の遮熱対策は遮熱カーテンを使うのが効果的です。遮熱カーテンは外の熱を室内に伝えにくくする役割があり、日差しが強い夏に最適なカーテンとして人気があります。
窓から伝わる熱を遮断することで室温の上昇を防ぐ効果があり、クーラーが効きやすくなるので設定温度を必要以上に下げなくても充分に室内が涼しくなります。クーラーの設定温度を高めにすることで節電効果が生まれ、光熱費の節約につながります。カーテンを変えるだけなら手軽にできるので、簡単にできる夏の暑さ対策といえるでしょう。
夏家具の王様「ラタン/籐」のアジアン家具
暑い夏には、やはり定番の東南アジアの家具はかかせません。東南アジアとはフィリピンやインドネシア、バリなど含む熱帯地方を指しますが、熱帯地方の同地は1年中暑い季節が続きます。そうした場所で育った樹木や植物を使った東南アジアの家具は、暑い日々をやり過ごすための工夫でいっぱいなのです。
一番有名なのはラタン/籐の家具ですね。籐(ラタン)はアジアン家具によく使われている素材で、ラタンのつる部分を編んで作ったラタン家具をご覧になったことがあると思います。通気性が高いため蒸し暑い夏でも快適に使用できます。軽くて丈夫なので、家具の「模様替え」にも最適です。
実はラタンは夏は涼しくて冬は暖かいという性質を持っています。自然素材であるため夏には室内の湿気を吸い、冬は水分を放出するという調湿機能があるわけです。ですから冬でも快適に使えます。環境温度に対して自然素材ならではやさしい対応力を持っているのです。
見た目の要素も大切です。部屋の中にひとつラタンの家具があるだけで、部屋がアジアンリゾートのような雰囲気になります。お部屋をラタン家具でコーディネートすると、まるで南国の日陰に居るような気分にさせてくれます。
毎年、どんどん暑くなっている印象の夏ですが、今年はどうなんでしょう。もし、去年のように暑くても工夫次第でちょっとだけ快適に過ごす事ができるかもしれません。是非お試しあれ。