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日本で一番歴史あるベッドメーカーの日本ベッドの東京池上ショールームをご訪問しました。

日本ベッド

 日本ベッド池上ショールーム

日本ベッドは、創業1926年の日本で一番歴史のあるベッドメーカーです。宮内庁をはじめとして迎賓館や一流ホテルなどで多数の納入実績があり、その極上の寝心地は世界のセレブに認められています。国内最古参メーカーとして日本の住環境や日本人が好む寝心地を絶えず研究し、改良・挑戦も続けています。
今回は、日本ベッド本社の東京・池上ショールームをご訪問いたしました。販売部の杉山様、藤崎様にお話を伺いました。

Q:日本ベッドは、日本で最も歴史ある老舗ベッドメーカーと伺っております。どのような経緯で創立されたのでしょうか。

A:1926年(大正15年)操業になります。88周年(2015年現在)を迎えることになりました。日本ベッドの創立のエピソードとしては、創立者の宇佐見竹治が、当時(大正時代)帝国ホテルで働いており、仕事で英国などを訪れることが多かった経験から、ヨーロッパの「ベッドで眠る」というライフスタイルを日本に持ち込みたいと考えたのが始まりと伝えられています。
大正の頃ですからまだ日本国内でベッドというものが普及していない時代でした。創立者の宇佐見が持ち込んだベッドが日本での「ベッドの始まり」と考えてよいと思います。
宇佐見が帝国ホテルで勤めていたこともあり、帝国ホテルはもちろん、一流ホテルへの納入実績を多数持っています。 また、昭和天皇の頃から宮内庁、皇室関係、赤坂・京都の迎賓館などに納めさせていただいております。

 

日本ベッドのポケットコイルへのこだわり

Q:日本ベッドのマットレスというと、「ポケットコイル」の印象が強いのですが、「ポケットコイル」にこだわる理由を教えて下さい。

A:創立当初は一般的なボンネルコイル(スプリングコイルが連結しているタイプ)のマットレスでしたが、現在はポケットコイルマットレスをメインに販売しております。「ポケットコイル」を採用した主な理由としては、スプリングが独立しているので体重のかかる所は沈み、かからない所は沈みません。体重を分散して支えることができるというのが最大の理由です。連結タイプのスプリングよりはポケットコイルの方が身体のラインに沿ってフィットできるわけです。
加えて、日本ベッドのマットレスでは、ひとつひとつのポケットコイルを他のどのメーカーさんよりも小さく作って数を増やしています。当社のシルキーポケットですとシングルサイズで1200個のポケットコイルを内蔵しています。

シルキーポケットマットレス

Q:シングルサイズで1200個のポケットコイルというのは凄いですね。

A:マットレスというのはどのメーカーもそうですが、中にスプリングがあってその上にクッションを敷いて側地で包むという構造になっています。スプリング以外の素材のマットレスもありますが基本的な構造は同じです。
日本ベッドのマットレスでは、ポケットコイルを小さくして針金を細くして、数を増やしています。スプリングの一つ一つの「粒子」を細かくしているわけです。例えば、小石を敷き詰めた上に横たわるのと、砂を敷き詰めた上に横たわるようなものです。両者では身体への負担・フィット感は大きく違うはずです。

ポケットコイルを小さく細くし、数を増やすことには、もう一つメリットがあります。
連結したスプリングや太いスプリングの場合は「バネ当たり」が強くてどうしてもクッションを多めに入れてあげないと、心地よい眠りが得られません。日本ベッドのマットレスでは、ポケットコイルを小さく細かく入れることでクッション層をあまり入れないで、クッションではなく「スプリング」で身体にフィットするように作られています。

日本ベッドのマットレスは小さくて細かいスプリングで素晴らしい寝心地を実現

シルキーポケットの3種類の硬さのコイルスプリング

Q:クッションに頼らず、小さくて細かいスプリングでフィット感を出しているわけですね。耐久性はどうなんでしょうか。

A:一流メーカーと言われているベッドメーカーさんのスプリングは、しっかりとした耐久性があり、そうそう「へたり」や「型くずれ」は起こしません。ところがその上に使われているクッション素材は、どんなに高級な物を使ったとしても一定の経年変化が起こります。人が横になると腰のあたりが一番体重がかかり、その辺りの「へたり」が先に来てしまいます。 スプリングはそのままで厚いクッション層に頼るようなマットレスですと耐久性が劣る場合があるわけです。
対して、日本ベッドのマットレスでは、なるべくクッション層を少なくしてスプリング本来のフィット感で寝心地を良くする工夫を施しています。クッション層に頼らないスプリング主体の構造は、結果的に耐久性を向上させることに繋がっています。
加えて、日本のベッドメーカーとしての長い経験から、高温多湿な日本の住環境への対応も常に心がけています。クッション層を少なくすることはマットレス全体の通気性の向上に貢献しています。
日本ベッドのマットレスは、最終的にはクッションに頼らず「ポケットコイルだけでも眠れる」ほどのフィット感を持つポケットコイルを目指しています。

 

日本ベッドの主力マットレスのシルキーポケットシリーズを実際の商品でご説明していただきました。

A:日本ベッドのマットレスのラインナップとしましては、大きくわけて二つ。シルキーポケットとビーズポケットの二つのシリーズがあります。シルキーポケットが小さなポケットコイルを採用した日本ベッドの主力マットレスとなります。 ビーズポケットはベーシックなモデルとなっています。

Q:シルキーとビーズのポケットコイルですが、密度が結構違いますね。

A:日本ベッドの主力マットレスは、従来のポケットコイルマットレス約2倍のポケットコイルを組み込んだ「シルキーポケット」になりますが、こちらの「ビーズポケット」マットレスもシングルサイズの場合612個のポケットコイルを搭載しています。
一般的なシングルサイズのポケットコイルマットレスの場合は通常400〜500個後半です。こちらはベーシックモデルではありますが、「ビーズ」と名称を付けているだけあって、標準より小さめのサイズで612個(シングル)と十分な数を搭載しています。
そして、その上位モデルがシルキーポケットです。シングルサイズで1200個のポケットコイルを組み込んでいます。ポケットコイルの並べ方も平行ではなく、「千鳥組」になっていて隙き間がほとんどありません。実際にポケットコイルだけに直接座ってもらっても、まったく「バネ当たり」を感じることがありません。

シルキーポケットマットレス

Q:これだけ、スプリングの数が多くなると重さはどうなんでしょうか。

A:確かに一般的なポケットコイルマットレスよりも数は多いですが、より小さく、線径も細くなっております。また、クッション層も少なくなっておりますので、総重量で考えますと、一般的なポケットコイルマットレスと大差ない重さになっています。

Q:シルキーポケットの特徴のひとつとして3種類の硬さをクッションではなくてスプリングの太さを変えることで実現しているわけですね。

A:シルキーポケットにはハード、レギュラー、ソフトと3種類の硬さをご用意しておりますが、クッションの柔らかさではなく、スプリングの線径を0.1ミリずつ変えることで硬さを調整しています。具体的にはハードで1.4ミリ、レギュラーで1.3ミリ、ソフトで1.2ミリになっています。細い方が柔らかい寝心地になります。
本当は硬くしようと思えば硬い詰め物を1枚入れれば簡単に硬くなってしまいます。逆に柔らかくしたければ何層もクッションを入れれば簡単にできます。しかし、私ども日本ベッドとしては、マットレスの耐久性や夏場梅雨時の湿気対策などを考えた時に、可能な限りクッションに頼った調整は取りたくないと考えています。 スプリング側で硬さの違いをほぼコントロールしていますので、3種類の硬さどれでもマットレス自体の厚みは25cm(シルキーポケット)と同じになっています。

Q:こちらはシルキーの別バージョンですね。

シルキーパフとシルキーシフォン

A:シルキーシフォンとシルキーパフです。さきほどのシルキーポケットをベースにしてラグジュアリーな仕様のモデルとなっています。ひとことで言うとフワッとした寝心地が楽しめるマットレスです。シルキーシフォンはシルキーポケットのレギュラーと同じスプリングを入れていて、シルキーパフはソフトのスプリングが使われています。そしてスプリングの上のクッション部分に特殊なクッション材を採用しています。シルキーパフは高反発素材でソフトで柔らかい寝心地、シルキーシフォンは高弾力性素材でモチッと弾力のある寝心地が特徴となっています。どちらのタイプもシルキーポケットの良さを引き継ぎながら、より柔らかい寝心地を追求したモデルとなっております。

Q:シルキーポケットの最上位モデル「ピロートップ」はどのようなモデルですか。

ピロートップ シルキーポケット

A:外資系ベッドメーカーのマットレスでよく見られるピロートップモデルです。シルキーポケットレギュラーをベースにピロートップと呼ばれるクッション層を両面に追加しています。ピロートップ+スプリングで当たりは柔らかいですが、たくさんのスプリングでしっかり支えるので、横になると安定感が感じられる寝心地が特徴です。日本での使い勝手を考えて両面仕様になっています。

Q:一番柔らかいモデルはどれになりますか?

A:順番でいいますと、1.シルキーパフ 2.シルキーポケットソフト 3.シルキーシフォン 4.ピロートップ 5.シルキーポケットレギュラー…と続きます。
シルキーパフ、シルキーシフォンとも、一般の方が目を閉じて横になっていただくと、分厚いマットレスに横たわっているかのような寝心地を体感することができます。ここでも私ども日本ベッドのこだわる部分は同じで、あくまでもベースはスプリング主体でフワッとした感触ではありますが、マットレスは分厚くはなりません。こちらのパフとシフォンの厚みは24cmで、実はシルキーポケットより1cm薄くなっています。それでいて寝心地はよりソフトになっています。

Q:次にビーズポケットマットレスですが、こちらも硬さが3種類あるわけですね。

ビーズポケットマットレス

A:もう一つ別ラインで、スタンダードなシリーズのビーズポケットマットレスがあります。こちらもハード、レギュラー、ソフトと3種類の硬さをご用意しています。スプリングは3種とも1.6ミリの同じ線径のスプリングを使用しており、一般的なマットレスと同じようにクッションを変えることで硬さの違いを出しています。ただ、一般的なマットレスよりはひとつひとつのスプリングを小さめに作っており、数もシングルで612個を組み込んでいます。寝心地の割には厚みは23cmと若干スリムに仕上がっています。

Q:日本ベッドのベッドフレームについて、特徴のあるものをいくつかご紹介ください。

スタンザ ベッドフレーム

クイーンサイズの跳ね上げ式ベッド

A:こちらは、ベッドフレームのスタンザ/STANZAシリーズです。サイズやカラーはもちろん、ヘッドボードやレッグ、引き出し付タイプや跳ね上げ式タイプも選べるようになっています。最近のトレンドで言うと、首都圏では跳ね上げ式や引き出し付フレームなどの収納力のあるフレームにお問い合わせが多い印象があります。スタンザでも跳ね上げ式フレームを選択することができますが、クイーンサイズの跳ね上げ式ベッドフレームもご用意できるラインナップを持っています。 160cmのクイーンサイズマットレスまで乗せることが可能です。クイーンサイズの跳ね上げ式は他社様にもありますが、このサイズのクイーンサイズの跳ね上げ式は珍しいと思います。

ハイランダー

無垢のナラ材の間伐材を使ったベッドフレーム「ハイランダー」です。まるでデッキの上にいるようなデザインが特徴となっています。
使われているナラ材は北海道紋別の間伐材です。エコロジーの観点から、今までは捨てていた間伐材を再利用して製品化したものです。素材そのものの特徴を生かすために塗装をあまりかけておりませんので、一点一点違った木目の風合いを楽しむことができます。もちろん国内で製造されています。

日本ベッドのベッドフレームに共通して言えることは、ミニマムでモダンスタイルが基本になっています。出来るだけシンプルでイメージを壊さない「造り付け」のようなフレームが多いですね。


Q:本日は、日本ベッド池上ショールームにお伺いして、マットレス、ベッドフレーム等の主力商品をご紹介していただきました。本当にありがとうございました。

A:最近は、大きな家具イベントに参加させていただくと、ベッドを見るときにマットレスをメインに見られる方が多いです。 日本ベッドの名前は知らなくても「シルキーポケット」等の商品名だけはご存知でご指名いただいております。「どこどこのホテルに泊まったけれどもあのマットレスはどのモデルでしょうか」などお問い合わせもあります。 
クッション等の詰め物に頼らないスプリング本来の寝心地を体感できる「シルキーポケットマットレス」は、日本ベッドの自信作です。ベッドをお探しの際には、ぜひ、「シルキーポケット」をお試しください。

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