大阪のほぼ中央に位置する、堺筋本町駅から徒歩5分のところに関家具大阪ショールームがあります。
このショールームには一枚板で有名な「アトリエもくば/ATELIER MOKUBA」や関家具の人気ブランドが楽しめる「CRASH GATE」がありますが、この度ドイツのNo.1ノンスプリングマットレス「シェララフィア」のショールームもオープンするというお話を聞き、ご訪問することになりました。ご担当の馬越様にお話を伺いました。
Q:「シェララフィア」は大阪でのショールーム展開としてはここが初めてになるわけですか。
A:そうですね。関西の旗艦店という位置付けになります。
店舗のコンセプトとしては、東京の五反田などは単独でショールームを構えていますが、大阪の場合は「アトリエもくば」の一枚板があったり「クラッシュ/CRASH」があったりする横に「シェララフィア/Schlaraffia」を展開しています。自社ブランドを集めたセレクトショップ的な空間を目指しました。
お客様サイドから見た場合に間口が拡がってくるのはもちろんなんですが、より感性の高いお客様にお応えできるように、シェララフィアの商品構成も高級タイプをメインに揃えております。最先端の世界的新素材「ゲルテックス」を使った「シェララフィア」のノンスプリングマットレスに加えて、より天然素材にこだわったオーガニックライフを目指す「センベラ」ブランドのマットレスも揃えました。
Q:日本のマットレスを市場を考えると、やはりまだスプリングのマットレスの割合が大きい印象がありますが、「シェララフィア」や「センベラ」のようなノンスプリングマットレスへの認知度はどの程度なのでしょうか。
A:そうですね。もともと日本はスプリングマットが主流で、「硬いマットレス=良いマットレス」というイメージが定着しているかもしれません。しかし、内部の構造が全く違うように見えるスプリングマットレスとノンスプリングマットレスですが、方式は違えど目指していることは実は同じだったりします。基本的には「硬いベース材の上に柔らかくしなやかなクッション層を乗せている」構造は同じです。
現代のマットレスの考え方は、肌に近い柔らかい表面層で身体のラインを作るように考えられています。それが身体が落ちすぎてしまうと理想的なS字ラインが作れずに腰痛になってしまったりするわけですが、それをベース部分の高反発層で持ち上げるような構造になっています。それがスプリングなのかノンスプリングなのかという違いだけなんです。
この下の水色の部分がベース部分、高反発素材で耐久力のある「ブルテックス」という素材が使われています。スプリングマットレスのスプリング部分に相当します。上のグレーの部分が「ゲルテックス」というしなやかな素材です。
Q:この「ゲルテックス」は低反発素材とは違うのですか。
A:感覚的には低反発に近いですが、「シェララフィア」が開発したまったく新しい独自素材です。さきほどスプリングとノンスプリングマットレスの考え方が同じというお話をいたしましたが、その完成度、しなやかな表現力という点では「ゲルテックス」「ブルテックス」を組みあせたノンスプリングマットレスの方が優れているのではないかと考えております。
Q:ノンスプリングマットレスのメリットとして「軽さ」があると思いますが。
A:良いマットレスの条件として寝心地の良さはもちろんですが、「扱いやすさ」という点も重要です。「シェララフィア」のマットレスはゲルテックスなどのノンスプリング素材だけで出来ていますので、金属製のスプリングマットレスと比較するととても軽くできています。つまり、ご自宅でベッドメイキングや季節ごとに向きを変えるローテーションを、女性でも簡単に行うことができるわけです。
また、「シェララフィア」は内部の通気性が大変良いので、このようにちょっと持ち上げるだけで内部の空気を入れ替えることができ、クリーンな状態になります。
Q:えっ?それだけでですか?
A:はい。マットレスは熱を持つことが多いいのですが、持ち上げてストンと軽く落とすだけで内部で大きなファンが回転して空気を入れ替えたような状態になります。軽量ですので、ご家庭で女性一人でも簡単に行えます。毎日、シーツの位置を直すような軽い感じでちょっと持ち上げて落とすだけでマットレス内部の空気を入れ替えることができます。
一般のご家庭では、日本の敷布団なら毎日たたんで押し入れに入れることで結果として空気を入れ替えていることになります。加えて時々干すことで十分なメンテナンスができるわけですが、スプリングマットレスでは重量もあり、簡単に動かすことが出来ません。日々のメンテナンスとしては表面のベッドパッドやシーツを交換してクリーニングするだけだと思います。本当はマットレス自体もメンテナンスしたいのに簡単に出来ないというのはストレスの一部になっているのではないでしょうか。
その点、「シェララフィア」の「ゲルテックスマットレス」は、衛生的で扱いがとても楽なんですね。
人間はだいたい40度近い温度で寝ています。身体の熱が内部のフォームにたまって、寝苦しいのではないかと良く言われるのですが、ゲルテックスフォームの内部には「蜂の巣状」の細かい穴が空いており、空気がスウッと抜けていいくことで、一晩中高い通気性を維持しています。また、カバーも外して洗うことが可能です。
高い通気性は、マットレスの側面に手を置いていただくとわかります。手を置いてマットレス上部を押すと側面から風が出ているのが感じれると思います。人が寝返りを打つたびに空気の流れが発生します。熱や湿気がこもりにくいということです。
扱いやすくて、衛生的な優れたマットレスであると自信を持ってオススメできます。
Q:「シェララフィア」というブランドは、日本ではまだあまり馴染みがないかもしれません。
A:日本の大手ベッドメーカーのほとんどがマットレスだけでなくフレームも作っています。しかし「シェララフィア」は完全にマットレスだけに特化した専門ブランドで、マットレス製造だけで100年以上の歴史を持っています。
毎年1月にドイツのケルンで開催される世界最大級の家具ショー「ケルンメッセ」でもシェララフィアブースは非常に盛り上がりを見せており、あらためてヨーロッパ全土でのブランド力の高さに驚かされました。
ヨーロッパで展示会や家具屋を視察しましたが、シェアも非常に高いものがあります。日々の使い勝手が悪かったり数年で痛んでしまうようなマットレスを作ってたら100年もの歴史を刻めるはずがありません。品質の高さも現地でもしっかりと認知されていましたね。
Q:ゲルテックスマットレスのラインナップをご説明ください。
A:型番の数字が大きいほどグレードが高くなります。「ゲルテックス プラチナ240X」が最上グレードになりますが、ドイツ人は身体の大きい方が多いので、そういう方に向けて作られたものです。数字の小さいスタンダードなモデルは日本の市場向けに「ゲルテックス」特有のしなやかさを少し抑え、高反発の強みを活かした仕様になっています。お客様の体型や、好みの寝心地を見つけていただけるよう幅広いラインナップをご用意しています。
Q:型番の数字が小さくなると「硬く」なると考えて良いでしょうか。
A:硬くなるというより、より「高反発の体感レベルが上がってくる」と言った方が良いかもしれません。グレー部分の柔らかいゲルテックス層が薄くなることで、高反発のブルテックス層の持ち上げる感覚を体感しやすくなるわけです。「硬い」「柔らかい」という表現で言えば「硬い」ということになります。
しかし、日本人としては畳の文化で敷布団やスプリングマットレスで育ってきたベースがありますから、「硬さ」を感じられた方が安心感を感じるというのはあるかもしれません。そういうお客様に対しては、じっくりと時間を掛けて実際に「ゲルテックスマットレス」に寝てもらっています。まずは「ゲルテックス180」などの硬めのマットレスを試しいただき、徐々にゲルテックスのコンセプトをより体感できる上位ヴァージョンを試していただいています。
実際に、私もゲルテックスマットレスを購入して使ってみました。
頭では良いマットレスだとは分っていても、1週間程度は違和感が出ました。それは二十数年間、普通のスプリングマットレスで寝てきた人間が「柔らかい」寝心地に身体が馴染まなかったのでしょう。しかし、そこを越えてしまうと身体が馴染んでしまって逆にこれ以外のベッドではぐっすり眠れません。例えば、出張先で宿泊するビジネスホテルの硬いスプリングマットレスでは寝れなくなってますね(笑)。
Q:柔らかいマットレスで一番問題になるのが、腰が落ちすぎないかということだと思いますが。
A:シェララフィアには「スリープトライアングル」と呼ばれる三つのコンセプトがあります。
「通気性」「体圧分散」そして「ボディサポート力」というのは背骨を一直線にするという意味です。ゲルテックスマットレスと良く比較される低反発素材のマットレスの場合は、定義がまったく違ってきます。低反発マットレスは「沈み込んで身体のラインを作った形がベスト」という考え方になります。例えば、マットレスが柔らかすぎて腰が沈み込み「首・背中・腰」で高低差が生まれ、体に違和感を覚えることもあります。
接客していてお客様に「低反発は合わなかった」とよく言われます。低反発マットレスが流行って売れていた時期に、あまり詳しい接客やご説明を受けずに「売れてるらしいから買ってしまった」ようです。後で後悔するパターンですね。
低反発の定義はそもそも「寝返りがいらない」というもので、簡単に言うと、寝たらそのまま朝までその姿勢で起きるというものなんです。ところがお客様は低反発の特性についてのご説明を受けていないので「寝返りがしにくい」とか「起きづらい」ということになります。
Q:高反発はどう違うのでしょうか。
A:高反発の場合は、逆にマットレスが押し上がってくるような感覚になります。低反発の腰が落ちる感覚とは全く逆になります。シェララフィアのラインナップでいうとグレードが上がりますと、しなやかさも加わっていき、押し上げるというよりは浮いているような感覚を得られると思います。
Q:ところで、シェララフィアで使われているセンベラのマットレスにはウッドスプリングが入っていますが、やはりこれは必要なものなんでしょうか。
A:センベラのフレームには標準でウッドスプリングが付いてきます。
もちろんスノコタイプも選べますが、本来はスプリングマットレスがあまり通気性が良くないので使われているものです。ウッドスプリングも大きな隙間が空いていて通気性に優れていますが、本来の目的はシェララフィアのマットレスのしなやかさをアップし、より優れた体圧分散を発揮させるためです。しなやかで耐久性のある「スラット」と呼ばれる板をがたくさん並んでいて、身体の負荷に合わせてしなやかにしなります。肩の部分(グリーンのスラット)はよりしなやかになっており、腰回りの部分はスラットが二重になっていて、グリーンのつまみをスライドさせることでしなり具合を調整できます。
優れたコンセプトのマットレスですので、パフォーマンスを最大限に発揮させるには出来るだけウッドスプリングを使っていただければと思います。スノコではダメというわけではありませんが、多少硬めに感じられるかもしれません。
Q:最後にセンベラのベッドフレームについてお話ください。コストパフォーマンスが良い印象がありますね。
A:はい。私ども関家具が約50年間、家具の卸を初めとして生産から小売りまでやってきた経験から、商品開発にはエンドユーザー様の声を積極的に取り込んでいます。ヘッドボードは薄くてコンセントがあるのが良いとか、材質はウォールナット材が良いとか、そういった要望を実際に「形」にするのが早いのが強みです。
また、プレミアムなウォールナット無垢材を使った「Maid in 大川」の国産フレームも作りました。お客様の「よりもっと良い物を」というニーズに応えたフレームになっています。
基本は、ウッドスプリング付きですが、スノコタイプも選べます。また、ウッドスプリング付きで引出し付のフレームもあります。このあたりの商品開発のスピード感も関家具ならではの部分ではないでしょうか。
ありがとうございました。
今回は、関家具大阪ショールームにお伺いしまして、新しくオープンした「シェララフィア/Schlaraffia」コーナーを取材させていただきました。シェララフィアのノンスプリングマットレスの優れたコンセプトを再確認すると同時に、高い通気性のお話など初めて聞くお話もあり、大変勉強になりました。
インテリアプラスでもシェララフィアのイベントをご紹介しています。是非、この機会にご来場いただきまして、シェララフィアのマットレスを体感してみてください。
シェララフィアがご覧になれるイベント
予定されているイベントはありません。