国産家具メーカーで品質の高さに定評がある小島工芸の藤代工場を取材しました。
東京ショールームとは別に茨城県取手市に藤代工場があり、主に机、書棚等を製造されています。今回はじめて藤代工場を取材させていただき、その規模としっかりとした物づくりへの情熱の高さに驚きました。
専務取締役 小島勝人様にお話をお伺いしました。
Q:小島工芸さんならではの一番のアピールポイントは何でしょうか?
A:物作りに関しては安心・安全・環境にポイントを置いた物づくりを行っています。もちろんそれ意外にも売り場で見ただけではわからないような内部の造りや頑丈さなどに細かい気遣いをしております。安心については使っている材料やF☆☆☆☆等、規格に適合した一番良い材料を使っています。
また、環境についてもこの工場の立地が藤代駅すぐ前となっておりまして、工場両脇にマンションがありますので、使う材料はもちろん、環境に配慮しなけらばならない状況にあります。地域の住民様にご迷惑をかけないよう、いろいろな有害物質を排出しないように、騒音なども気をつけるようにしています。
Q:小島工芸の歴史について教えて下さい。
A:創業は明治19年になりますので120年以上の歴史を持っています。最初は浅草の三筋町で創業しました。その後に現在、東京ショールームになっている江戸川に工場を移転いたしました。今ショールームの下は倉庫になっているのですが、そこが最初は工場になっていました。藤代工場は昭和39年からの操業になります。かれこれ50年ほどの歴史があります。これから工場をご案内します。
藤代工場の規模とこだわりの物づくりに驚く。
藤代工場は常磐線藤代駅下車徒歩3分ほどの立地にあります。本当に「駅前工場」と言って良いでしょう。まわりは駅前というよりは住宅街が広がっており、工場の両サイドも大きなマンションが建っています。この環境で家具の製造工場が立地していることにまず驚きました。周辺住民の方はもちろん、環境に対して細かな配慮をしながら家具製造を行っているそうです。このようなところにも小島工芸の物づくりの姿勢が見えてくるようでした。
完成した商品や木材等の材料を保管する倉庫
直線距離で500メートル以上になる大きな敷地内に大型の倉庫と製造工場が並んでいます。
左側が完成した家具を梱包した状態で保管している倉庫と木材等の保管倉庫になります。その規模の大きさにも驚いたのですが、倉庫内に完成品の家具が多数保管されているのにもかかわらず、倉庫内に塗料や接着剤等の臭いがしなかったことです。
小島工芸では製品に使用する資材・塗料・接着剤に建築基準法で最も安全性が高いとされているF☆☆☆☆相当のものだけを使用しています。ですから完成したばかりの家具がこれだけたくさん一ヶ所に集まっていても気になる臭いがほとんど感じられなかったのです。
原材料の木材等を保管している倉庫も見せて頂きました。
各種の化粧合板、繊維板やパーティクルボードと呼ばれる材料も小島工芸では品質の高いものを使用しています。無垢材のタモ材(アッシュ)も木目が細かく品質の高い北米産を使用しており、原材料レベルから品質管理を徹底していると思いました。
製造工場の規模と働いている方々が若いことが意外でした。
小島工芸の製造工場は全長500メートルを越す規模でその大きさに驚きました。そしてそこで働く人達が若い(失礼!)ことも意外でした。4割程度が女性だそうです。長い歴史のある老舗家具メーカーですから、もっと年齢の高い人達が働いていると勝手に思っていたのです。実際は経験ある働き盛りの職人さん達の製造現場でした。木材の加工、塗装から検品まで一貫してこだわりを持って行われているようでした。
細かい仕上げにも小島工芸独自の技術が多数盛り込まれており、歴史の長さはもちろん新しい技術の導入も積極的に行われていると思いました。
ダイオキシンの発生にも細心の注意を払っています。
工場内にある廃材の処理施設です。藤代工場は藤代駅前にあり、まわりは住宅地です。すぐ横にはマンションも建っています。小島工芸としては、家具を製造する時に発生する廃材の処理施設にダイオキシンを補足処理するプラント施設を設置しています。商品の安全の配慮はもちろん、地域の環境問題も考えての物づくりを行っていると思いました。
Q:本日は藤代工場を見学させていいただき、ありがとうございました。こういう言い方をすると失礼かもしれませんが、工場の規模がこれほど大きいとは思いませんでした。随所に小島工芸様のこだわりを感じました。
A:最後に、小島工芸のこだわりの部分で当社が使っている「木ダボ」をご覧頂きたいと思います。
木材と木材をしっかりと接続する方法として「木ダボ」を使いますが、小島工芸の場合、細かなこだわりを持っています。通常のダボですとただの棒の場合やスジが入っているだけのダボがほとんどです。
当社のダボはクビの所にスジが入っていて、ダボ全体を斜めにギュッと絞っています。このように斜めに絞ることを「木殺し」と言います。雑巾をギュッと絞って水につけるとフワッと膨らみますが、このダボも一回絞っていますので、接着剤を入れて組みますと中で膨らみます。また、クビの所のスジに接着剤が入り込みより強固に接着できるわけです。このような部分は一度組まれてしまうと外からは見えなくなります。しかしこだわりと誇りを持ってネジ1本、ダボ1本でも造りの違う部品を使用しています。小島工芸としての創業以来変わらない姿勢です。
本日はありがとうございました。
小島工芸の学習デスク、書棚等が見られるイベント
予定されているイベントはありません。