根強い人気の一枚板の家具
一枚板を使って製造される家具は、素材となる樹木の生命力や暖かい質感を感じることができ、数あるインテリアの中でも特に人気の高い製品となっています。その価格は、通常の家具に比べると高めに思えるかもしれませんが、それだけの価値と魅力を十分に兼ね備えた製品だと言えるでしょう。一枚板の家具に使用される木材には様々なものがありますが、その中でも特に素材としての人気を誇っているのが、アフリカを産地とする、ブビンガ・ウェンジ・ゼブラウッドです。それぞれの素材、その魅力について詳細にみていきたいと思います。
ブビンガ/Bubinga/Guibourtia demeusei
カメルーン、コンゴ、ガボン、ザイールなど赤道付近のアフリカ中心地を産地とするマメ科の広葉樹ブビンガ。大きなものは直径2〜3m、樹高は10m〜20mにもなり、世界で最も太くなる木として知られています。その色調は少し淡い褐色で、芯材は表面とはまったく違う、桃色から赤褐色となります。きれいな淡い褐色に、紫色を帯びた暗めの色で不規則な縞模様が入っているのが特徴です。美しい木目模様は、装飾性の高い美術家具によく合います。テーブルや座卓、カウンター、化粧単板、フローリング、また、変わったところでは大太鼓の胴材に使用される事も。昔から日本の大太鼓にはケヤキが使用されてきましたが、近年大きなケヤキを確保することが難しくなり、代替え材としてアフリカ産のブビンガが使用される事になったという経緯が。音の響きも良いため、ギターや打楽器などにも使用されています。
表面の淡い赤白色は、時間の経過とともに深い色調へと変化していきます。使い込むほどに縞部分がより濃い色調へ変化し、味わい深い色合いとなっていくようです。とても重厚で硬さがあり、湿気が残ると悪臭を放ち、ひび割れや反りなども起きるため、乾燥時には特に注意して扱う必要があること。木材として使用できない部分も多量あることなどから、ブビンガは職人にとっては扱いにくい素材のひとつではあるようですね。ただ、接着などは比較的よくできるそうです。十分な乾燥を行なっていないと、収縮や膨張が起きるため、玄関の上がり台やフローリングといった広い面でブビンガを使用する場合は表面全体を塗装で包まなくてはなりません。耐久性は、一枚板の素材として使用されている木材の中では普通程度ですが、白蟻などの害虫に強いというメリットを持っています。
最近では、ブビンガを輸出禁止にした産地もあり、希少価値がより高くなってきています。重厚で特徴的な色合いのブビンガは、座卓として和室に置いたり、家族の集うダイニングにテーブルとして設置したりと、どんなシーンでも強い存在感を放ちます。他の家とは違う、個性的な家具を探している方におすすめしたい素材ですね。美しい木目模様が最大の特徴で、害虫にも強いブビンガは、一枚板の素材の中でも、一番人気を誇る素材となっています。
ウェンジ/Wenge/Millettia laurentii
ザイール、カメルーン、ガボンなど、アフリカ中央部に生育するマメ科の広葉樹ウェンジ。樹高18mほど、直径0.6mほどの大きさに成長します。美しいさざ波のような模様(リップルマークと呼ばれています)が特徴的な芯材は黒い紫褐色。辺材は白色となっています。黒くて粗めの木目が表面に浮き出るウェンジは、比較的どんな部屋にも合わせやすい色の家具となります。ウェンジ素材の一枚板の家具は、落ち着いた色合いが高級感と重厚感をかもし出し、長期間使っても飽きのこない味わいを持っています。産出国アフリカでは、ナイフの柄や木像の素材、火力の強さから燃料としても使用されているウェンジですが、日本では主に、家具、キャビネット、床材、床柱、化粧用単板、楽器などに使われています。シックで上質な雰囲気がありますので、高級店の内装などにも多く使用されています。
ウェンジの特徴のひとつは、その強度の高さにあります。衝撃や曲げにも強い特性を持っていますので、加工は行ないやすい木材とされているようですね。ただ、釘打ちやねじ止めをする時には、一度ドリルを使って下穴を開ける処理が行われているそうです。また、繊維がかけやすいため、コーナーの切除には注意が必要です。ウェンジの加工の際、職人が気をつけているのは、じっくりと乾燥させる事。乾燥までには時間がかかりますが、乾燥後は木材としての安定性がとても高くなります。とても硬く、傷がつきにくい耐久性の高いウェンジは、害虫にも強いという特性を持っています。家具素材としては、とても優良と言えますよね。耐久性の高さから、家具の他にも、内装材やフローリング材として使用される事も多いようです。暗めの色調を活かし、フローリング材として使用すると、モダンな高級感を感じさせます。現代的なインテリアにも逆にクラシックなアンティーク調のインテリアにも、違和感なく合うことでしょう。
油分の多いウェンジは、磨きこむ事によって美しいツヤが生まれ、より自然な色調へと変化していきます。使い込むことで魅力を増していく、素晴らしい素材ですね。ウェンジには水に濡れると成分がしみ出すという特徴があるため、石材などと接触させて使う時には注意が必要です。雨水でしみ出した成分で、石が変色してしまうということもありますので、屋外での使用には注意を払ってください。
ヨーロッパへも積極的に輸出され、高級家具やフローリングに使用されているウェンジ。特に輸出量の多いフランスでは根強い人気を誇っています。もちろん日本でも多くの方に支持されています。家具としてだけでなく、内装材としての評価が高い事もウェンジの特徴ですね。一般の方だけでなく、インテリア業界や設計に関わる方達にも、素材としてのウェンジは多くの需要があり、幅広く受け入れられています。
ゼブラウッド/Zebra wood/Microberlinia brazzavillensis
アフリカ中央部の熱帯雨林、主にカメルーンやガボンといった西アフリカが産地となるゼブラウッド。樹高は30mほど。直径は約1.5mです。辺材は灰色で、芯材が淡桃褐色から淡黄褐色。褐色のシマウマのような不規則な縦縞があることが最大の特徴でもあり、名前の由来となっています。日本では昭和30年から40年代にかけて、洋服ダンスの化粧板に多く使われていた事もあり、昔からの馴染み深い素材と言えるでしょう。家具の他にも、壁面や床板、楽器などにも使用されています。
ゼブラウッドは、高い硬度、耐久性が特徴ですが、原木のまま長期間置くと、変色が見られる事もあるようです。板目面は狂いやすく、割れが起こることもあるため、乾燥には十分な時間をかけることが必要です。木目が激しく交差しているため、乾きにくいのです。また、カンナ加工が困難な素材のため、職人は細心の注意を払って加工を行なっています。特徴的な縞と表面に出る光沢が美しいゼブラウッドは、一枚板の家具に加工されると、非常にインパクトの強い製品になります。熱帯雨林の森の中で息づく樹木そのもの、強い生命力を感じさせます。ゼブラウッドを素材とする家具は、やはり個性的なものが多いですね。どんな部屋に置いても、その存在を主張しているようです。
乾燥しにくいという特性を持つゼブラウッドは、他の素材に比べると反りや割れが起こりやすいというデメリットがあるのですが、その個性的な美しいフォルムを目にすると、そんなデメリットはささいなことのように思えてきます。実際、ゼブラウッドを支持する方は多く、素材としての人気もとても高いのです。
ヨーロッパでも、その人気は高まりを見せていて、高級ホテルの客室ドアなどに使われる事も多くなっています。
使い込み、磨きこむことで、より光沢に深みが出てきます。縞模様の色調が微妙に変わっていくことも、長期間家具を使う中で、味わい深い変化として楽しむことができるでしょう。とても個性的なゼブラウッドですが、使い込むうちに不思議と部屋に溶け込んでいきます。希少価値が高く、家具として加工すると、とても高価なものになるゼブラウッドですが、価格に見合うだけの価値はあると断言できます。より個性的な部屋作りを考えたい方に、ゼブラウッドの家具を是非おすすめしたいですね。
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